破れ修理 W-7ウェブ編
修理依頼
年間3,000個程グラブを販売しますがそれに比例して修理もたくさんいただきます。
新品グラブは湯もみ型付けしてカチカチのグラブを柔らかくするのですがこれは新品より先に進むというかグラブの寿命に少し近づく行為です。
それに対して修理は逆に元の状態に戻す行為、私たち動物でいう治療のようなものです。
で、この修理作業ですが作業する人の性格により2つに分かれます。
「いかに早く終わらせれるか」と考える人と「いかに綺麗に直せるか」と考える人です。
言い方を変えれば「修理が苦痛な人」と「修理が楽しい人」でしょう。
私は完全に後者の「修理が楽しい人」でやっているとのめり込んでしまいます。
なぜ楽しいのか、それはボロボロなやつが生き返るからです。
「ねぇ、もう捨てた方がいいんじゃない?あたし一緒にいて恥ずかしい」
なんて見た目だけはいい彼女に言われ、汚い物でも見るような目で見られたグラブが
少しづつ少しづつ綺麗になっていき、最後はシャキッとする、この感じ!
「最っ高!」の一言に尽きるのです。
その時の達成感は何物にも代えがたいもので逆に作業させていただきありがとうございます。という気持ちになります。(と、言いつつお代はしっかりいただいてますが・・・)
まぁ、性格でしょうね。細かい作業が好きなので(^^)
これからも楽しませていただきますので修理しようか迷ってるなら私に任せて下さい!
ウェブ修理
さて、今回のご依頼は原辰徳氏モデルの縦棒が2本ウェブ、なぜかミズノのカタログに無かった・・・
スラッガーで言うところの「W-7」ウェブの修理です。
このウェブ、縦棒が2本あるのですがその幅が普通のクロスウェブの半分ほどしかありません。
なので皮ひもが伸びてウェブがグラグラしてくるとビンビンにテンションがかかり
少しづつすり減ってきて最後には穴の周りから破れます。
紐が伸びなければそうでもないのですが紐が伸びればかなりの高確率で破れます。
で、なぜか撮ったはずの初期画像が見つからないので途中からのスタートですが(^^;
破れた部分のステッチを数センチ解き、捕球面と背面の間に一枚革を入れます。
この時入れる革は破れた部分を縫い合わせる為の繋ぎの役目です。
後でミシンで縫うのでそれほど厚みは必要ないので今回はヘリ革でいきました。
それに普通の革を入れると動きが悪くなりますからね。ヘリ革がベストでしょう。
革を挟んで革用ボンドで接着したら今度はミシンでステッチを入れます。
普通の破れ修理なら破れた個所を何回もミシンで縫うのですが今回は縫う幅が無いので
ステッチのところのみ縫いました。この方が逆に破れにくいので。
革は縫えばいいというものでもなく場面場面での判断が必要なのです。
で、不要なヘリ革をウェブの形状に合わせてカットし、ステッチの色目の違いを黒土オイルで目立たなくしたら完成です。
どうですか?この美しい仕上がり?
まぁ、画像はありませんが。チャンチャン(^^)
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