FBベルト修理 ワールドウィン編

ベルト修理,修理工房ベルト修理,ワールドウィン

ベルト修理は意外と

今回のご依頼はファーストバックのベルト修理です。

35年物のミズノワールドウィン高田モデル?です。

大事に使っていた事が伝わってくるコンディションの良さですがやはり寄る年波には勝てずヘリ革や背面の革など一部のパーツに劣化が見られます。

中でも一番の問題はベルトが途中で切れて先が無い事です。

やはりよく引っ張る部分であると同時に汗なんかも付いたりするので古いグラブは結構な割合で切れている事が多いです。

このベルト修理、一見簡単そうですが一つ厄介な点があります。

それはベルトの端がヘリ革と一緒に縫い込まれているという点なのです。

つまり引っ張ってもヘリ革と一緒に縫い込まれているので抜けないのです。

じゃあ切れて不要になった根本の部分はどうすんの?

そのまま置いておくの?まさか・・・そんな・・・O・M・G・・・

と途方に暮れるので作業の前に必ずお客様にお聞きします。

「見えない裏のキワのキワをカットしてもいいですか?」と。

本当はヘリ革も一緒に交換出来たらパカ~っと開いてチャチャチャ~石井明美~っと作業出来るのですが費用対効果、コストに見合った仕上がりが期待出来るのかどうかという部分がありますのでそうもいきません。

なので外からは一切見えない部分をシャキーンっとやらしてもらって不要なベルトを切り取ります。

無くなったパーツは作る

切り取って無くなったパーツをどうしようか考えます。

まぁ、考えると言ってもどの色の革にするかというくらいですが(^^)

ジャジャジャジャーン♪

ベルト切り出しました。イツモイキナリダナと言わないでね(^^;

本体に近いコルクっぽい色にしようと思ったのですが残ってる反対側のベルトがブラウンっぽくなっていたのでそれに近い色でベルトを作りました。

普通、革の切り出しには革包丁を使いますがちょっとした切り出しには愛用のハサミを使います。

ハサミを使うと握って広げて握って広げての繰り返しになるので握る時に今までのラインから少しそれてガタガタになってしまいます。

しかし私はハサミでの切り出しを極めていますのでビシッと真っすぐラインを実現出来ます(^^)

よっ!憎いねっハサミ王子っ!パフパフ~♪

取付け

さぁ、パーツが出来たらラストスパートです。

裏の切込みからベルトを挿入して留めていきます。

さぁ、どうやって留めようかなと。

方法は2つ、ヘリ革をグイっとめくって際の際を縫うかベルトに穴を開けて革ヒモと共締めにするかです。

今回は外見に変化をつけたくなかったので革ヒモと共締めでいきました。

プラス革用ボンドでがっちりです。

仕上がり

で、完成形がこちらです。

どうです、ベルトを変えるだけでも全然違うでしょ?

後は全体にオイルを塗って型付け直しをして固まったグラブを解して完成です。

今回の修理も仕上がりGOODでした(^^)