縫いP加工

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縫いP加工

皆さんスパイク磨いてますか?

私は今日も磨いてますよ~(^_^)

さて、本日は縫いPについて書いてみようと思います。

縫いPとは「縫うピッチャーカバー」の略でピッチャーが投げる度にスパイクがすり減るのを避ける目的で開発されました。

今では野手も付けるスパイクの定番加工です。

スラッガーのカタログによると江頭支店長が考案したと書かれていますね。

縫いPと並んで「被せP革」も存在します。

被せの方はウレタンで作られた物をカパっと装着します。

一方、縫いPの方は一枚の革を爪先の形状に加工して貼り付けます。

最大の違いは被せの方が被せっぱなしなのに対して縫いPの方は縫って留めます。

なので「砂が入らない!」

いいと思います(^_^)

では、実際に取り付けながらどんな物が見ていきましょう。

何の変哲もないスパイクがあります。

先っちょが破れそうですねぇ(`Δ´)

まずはカバーを付ける目印のラインを書きます。

この辺かな?っと革を当てたらおもむろに~

ラインを書きます。

なんでこんな事をするかと言いますと

ラインを目印にスパイク本体とカバーにする革の両方にボンドを塗るためなんです。

フリーハンドボンドはヤバいので(^^)b

ボンドが半乾き状態になったのを見計らって革をスパイクに貼り付けます。

革がピタリと貼り付いたらスパイクの底とカバーの革を手縫いしていきます。

千枚通しで穴を開けて針を通すというやり方です。

昔は革底がメインだったので割りとやり易かったのですが最近は樹脂底がメインなので硬くて参っちゃいます!

コツコツと一針一針綺麗なラインを心がけます。

より密着するようにグイっと!

まずは第一段階の完成です。

全部縫ったらよく擦る部分に「コバ金」を付けます。

よく分かりませんが「蹴り金」なんて呼ばれたりもします。

コバ金を付けたら、次は甲側の端を縫います。

こっちはミシンで縫います。

これで砂が入る余地は無くなりました(^^)v

砂が入らなくなったら最後に専用保護材を塗って完成です。

この先だけの小型縫いPが野手用です。

破れたスパイクにも有効

次は投手用の縫いPを紹介します。

こちらは一度縫いP加工をしたけど破れてしまったスパイクに付けていきます。

縫いPするのに先が破れているかどうかは全く関係ありません!

どんな状態でもいけます!

ますば、破れたP革を外します。

ちょっと先が破れかかってます。

皆さん、P革が破れたら直ぐに取り替えましょうね(^_^)

後は前述の野手用と同じ流れで完成です。

野手用より面積を大きくしているのでハードに擦っても大丈夫です。

まとめ

スパイクの寿命を伸ばす縫いP加工ですが最近は埋め込み式のスパイクの台頭によりその存在意義が無くなってきているような気がします。

アッパーを保護しても肝心要の金具がすり減って廃棄せざるを得ないのです。

スパイクも使い捨ての時代が来たのかもしれませんね。

寂しい限りです。

ご清聴ありがとうございました。

またお会いしましょう。