キャッチャーミット芯強化

カスタムグラブ,芯調整キャッチャーミット,グラブの芯

芯が弱いのか馴染んだのか?

皆さんグラブ弄ってますか?

私は今日も弄ってますよ(^^)/

さて本日は「キャッチャーミットの背面側に張りが無くなりボールに負ける」という悩みを解消して欲しいとのご依頼を受けました。

ボールは軟式球ですが芯を外して捕球してしまった時に、かなりボールの勢いに負けるという事でした。

実際に手を入れさせていただくとめちゃくちゃいい感じの型が付いており、一瞬これは調整いらないんじゃないかな?

なんて思ってしまいましたが、背面を折り曲げてみると「なるほど」ぐにゃりと曲がります。

でも、この状態が好きで「ベストだぜ!」と言ってる人は絶対いると思います。

しかし、クライアントが気に入らないと言えば、そのミットは「ベストではない」のです。

芯加工はイマジネイションが重要

実際に折り曲げてみるとこんな感じです。

これをどうこうするにはやはり内部調査が必要になるので恒例の革紐外しを行います。

サクッと革紐を外すと中から小指の芯が現れます。

キャッチャーミットの芯はちょうど焼豚のそれの如くタコ糸でぎゅうぎゅうに巻かれています。

これを最初に見た時はけっこう原始的だなと思ったものです。

まぁ、今でも思いますが(^^)

で、焼豚の紐を切れないハサミでバッスンバッスン切っていきます。

この時の心境はただ一つ「切ったら切った分だけ巻かなきゃいけない」です。

何とか隙間から芯が出ないかなと試したこともありますが絶対に出てきません。

頑なに出渋るんです・・・

だからバッスンバッスンいくしかないのです(;;)

で、バッスンバッスンいったらなにやら出てきました。

指先のみにプラスチックの芯が入っていました。

なぜ全てに入れない?

指先のみに入れても絶対何の意味もない。

と思いましたがこの芯が入っていないのも結構ありますので入っているだけマシかな。

では、芯加工を行っておきます。

芯加工で大切なのは状態に合わせた閃きですね。かっこつけて言うと。

この芯ならこうしたら良くなるとか、この芯ならこうしたら良くなるとか(二回目)

とにかく場数を踏んでないと難しい作業だと思います。

で、今回は革追加を中心にやっていこうと思います。

芯に合わせて革を切り出したら恒例の針金強化を行います。

この時に重要なのが針金の端をキッチリ処理する事です。

私の場合は端をペンチで絶対に丸めます。

そうする事で針金の端が革を突き破ることなく内部に収まってくれます。

さらに切り出した革の両端に針金ポケットを設ける事で安全対策は完璧です。

それをビニールテープで仮止めし、折れ曲がって困る部分に最初に登場した謎のプラスチック芯をあてがうと芯強化の完成です。

それをまた焼豚をつくるかの如くタコ糸(実際には畳糸)でぎゅうぎゅうに巻きつければ~~~

完成です!

まとめ

芯強化はお手軽な加工ですがその効果は絶大で、やって良かったと思える加工の一つです。

今回はミットですがグラブの場合も同様の効果を得られます。

ヘタったグラブにお悩みの方は一度ご相談ください。

あなたのグラブに合わせた最適な加工を見つけ出しますので。

ご清聴ありがとうございました。

またお会いしましょう。