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湯もみ型付け
左が通常通し、右が逆通しです。ヘリ皮に掛かるヒモの巻く方向が逆になっております。
グラブを熱湯に浸けます 熱湯に浸け柔らかくなったグラブをそのまま乾かしたのではまた元の硬いグラブに戻ってしまいますのでここでもみ作業に入ります。グラブというものは同じモデルでも革質、縫製により1個1個違う物に仕上がってしまいます。だからもみ作業は非常に難しく、やり方によっていいグラブにも悪いグラブにもなってしまいますので細心の注意をはらって作業します。まさに長年の勘が物を言う作業であります。
グラブ全体をモミ解します 工程2で十分にもみほぐし柔らかくなったら次はポケット作りに入ります、この作業はグラブハンマーでボールを捕る位置を叩き、革を十分に伸ばします。思い描いてほしいのですがフライパンとふかふかの座布団。同じ高さからボールを落としたらどちらが弾きますか?考えるまでも無くフライパンがより弾くでしょう。グラブにも同じことが言え、ハリがあり硬過ぎるとボールを弾く原因になりますので革に十分余裕を持たし弾きにくいポケットを作ります。
ハンマーを使ってのポケット作り ここまでで第一段階終了です。グラブが濡れたままだと革にとっての大敵カビが発生しますのでグラブ専用の乾燥機で完全に水分を抜ききります。
専用乾燥室で乾燥させます 乾燥させたグラブは完全に水分が抜けるとまた硬い状態に戻ります。ここで最終仕上げ段階に入ります。電熱器などでグラブを温め再度工程2~3の作業を繰り返しオイルを塗り完成です。ここではお湯に浸けませんが同じ作業を2度行なうというわけです。この時点で普通にキャッチボール、ノックなど出来る状態にまで仕上がっています。さらにボールを捕る最適の位置にポケットを叩き作っていますので普通に型を付けたグラブに比べ簡単にボールを捕ることが出来ると思います。 以上で湯もみ型付けの工程についての説明は終わりです。 なぜ湯もみ型付けが必要か。試合の時は必ずしも思い描いたとおりのバウンドで打球が来るとは限りません。思ったより打球が弱かったりイレギュラーしたりして、グラブのポケットで捕球しようとしたけど外れた位置で捕球しなければならない事があります。その時エラーはおきます。1つのエラーで試合の流れが変わることもよくあります。だから、どこにあたっても捕れるように練習の時、グラブ全体を使うように心がける事が必要です。具体的に言えばポケットには【手の平】【土手】【ウェブ付け根】【ウェブ】【指先】の5つがありますがこの5つのどこで捕っても捕れるようにしなければなりません。プロ野球選手の多くが決められた1ヶ所のポケットで捕球するのは困難である、だから練習でポケットを使い分けると言っています。練習では弾いてもいいから土手の上で捕ったり指先で引っ掛けるように捕ったりして下さい、その積み重ねが試合で生きる場面もきっとあると思います。 プロ野球選手の多くは野球メーカーと契約してますが、それを解消してまで久保田スラッガーのグラブを使う選手が増えてきています。(福岡ソフトバンクホークス、西武ライオンズ、オリックスバファローズ、阪神タイガースなどに多く使われています)それは、選手の要望を聞き入れ実践の積み重ねで出来上がった湯もみ型付けをしているからに他なりません。つまりセンス抜群のプロ野球選手でもグラブの型を付けるのは容易ではないということなのです。我々アマチュアと同じようにプロ野球選手も湯もみ型付けを必要としているのです。 また久保田スラッガーのグラブは他メーカーと異なり革にコーティングを施してません。これは革本来の良さを素直に引き出し、より手に馴染み易くする為です。湯もみ型付けには水を弾く多量にコーティングされた油が邪魔になるのです。 最後に湯もみ型付けはする店により全て仕上がりが違います。当店の型付けは西武ライオンズの選手からグラブに対する要望を聞き入れて完成させた実戦派です。「プロ野球選手のグラブはどういう型をしているの?」と思ったことはありませんか?捕りやすいんだろうなと思ったことはありませんか?当店でその疑問を解きます。プロ野球選手が使用しているような捕りやすいグラブに仕上げますのでぜひ、一度当店の湯もみ型付けグラブをお試し下さい! グラブをいい状態に保つにはグラブを大事に使おうという気持ちが必要です。練習後にレザーローションやグラブスパイククリーナーで汚れを落とし、バットのヘッドで捕球面のしわが無くなるまで滑らかに伸ばし、少しかさついている所にスラッガーオイルやスクワランオイル、スクワランスプレーなどのドロース系を塗ります。そして、指先部分を下にして日陰の風通しの良い所に保管します。また、雨天時にグラブを使用した時はタオルでグラブを拭き、乾燥剤入りの箱や袋に入れよく水気を取って下さい。完全に乾燥したら薄くスラッガーオイルを塗りグラブのかさつきを取って下さい。なにより毎日グラブを見つめてやる事が大事です。