湯もみ型付け甘艸編

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久保田スラッガーのグラブ

皆さんグラブ弄ってますか?

私は今日も弄ってますよ~(^_^)

さて、本日は「グラブ修理マイスター」の私甘艸が型付けについて語りますよ。

誰がマイスターやねん!どついたろか!

というキツめのツッコミはご遠慮くださいませm( _ _ )m

今回ご紹介するのはKSN-LS1のKSオレンジカラーです。

現在は廃番となっており在庫が無くなり次第、この世から姿を消す悲しい運命のグラブです。

と、言えばあまり良くないグラブのように聞こえますが、なかなか型の良いグラブで型付けしてやるとすごく使いやすくなります。

ウェブも普通のクロスウェブとは異なりかっこいいので何で廃番になったんだろう?と、個人的には疑問に思ってしまいます。

こちらが湯もみ前の姿です。

久保田スラッガーのグラブはご存知の方も多いと思いますが出荷段階では以下のように

  • 紐を締めすぎ
  • シワを伸ばしてない
  • クセが凄い

など、けっこう見た目がよろしくありません。

せっかく良いグラブなんだから、この辺の「ちょっとした」事をキッチリ仕上げればと思うのですが・・・

むか~しから変わらないし直らないので、もうそういう仕様なんだと諦めてこっちで直すことにしています( ̄▽ ̄;)アハハ

湯もみ型付け

まず、いろいろ下準備をした後でお湯に浸けます。

革は熱を与えると柔らかくなる特性があります。

特に水分+熱を与えた場合、非常~に柔らかくなります。

そもそもなぜこんな事をするのかと言いますと柔らかくするのが最終目的ではなく

「型を付けるために柔らかくする」

のです。

お湯に浸けて柔らかくなった革だからこそ揉んだり叩いたり握ったりが可能なんです。

カチカチのやつを叩いたり揉んだりしたらカオスですよ!

そりゃ、手揉みでも柔らかくなりますよ。

でも、思い通りのラインで曲げられないとか握れないとか、とにかく固い革を弄るのはあまり好きではありません。

よく「湯もみをしたグラブは耐久性が落ちると聞きましたが本当ですか?」という質問をお受けしますが個人的には

「完全に間違った情報ですね、ソレ」

という感じです。

湯もみをするかどうかが問題ではなく手入れをするかどうかが耐久性を決めるのです。

オイルの一つも塗らずに耐久性がどうのこうの言う資格は無いなと ( ̄∇+ ̄)

湯もみ型付けの工程です。

要するに革が柔らかい時に「実際のプレーで行う動きが出来るようにする」事が大切なのです。

この辺のどういった動きをさせたいかが型付けをする人によって異なるので湯もみ型付けの仕上がりは100人いれば100人とも違うと思います。

タテ型が好きな人がいればヨコ型が好きな人もいるし当て捕りや掴み捕りなどグラブの型というものには正解はありません。

しかも長年野球をやってきた人でも自分の型をしらない人は多いのではないでしょうか?

毎回グラブの型が同じに仕上がる人はほんの一握りだと思います。

なので私は湯もみ型付けする時は自分の好きな型で仕上げます。

そうする事でけっこう喜ばれますし( ̄∇ ̄)ニヤリ

まとめ

湯もみ型付けの事を久々に書いてみましたが、やはり奥が深い作業だと改めて思いました。

自分にとっての正解はあってもそれがお客様にとっての正解ではないかもしれない。

そういった思いで常にお客様の事を考えて仕事をしたいと思います。

ご清聴ありがとうございました。

またお会いしましょう。