ポケットへの革入れ加工2

修理工房,革入れ加工メンテナンス,革入れ加工

革入れ加工で痛みを取る

皆さんグラブ弄ってますか?

私は今日も弄ってますよ~(^^)/

さて、本日のご依頼はまたまた「手が痛いから何とかして欲しい」という冬ならではの切実なご依頼です。

「寒い時だけだよぉ」といつもの如く軽く言ってみたがクライアントの意志は固く、やらない選択肢は無いようです。

毎日ミットを使う高校生だけに何とかしましょう!

ミットはミズノプロの硬式用で、カラーはスプレンディッドオレンジ

早い話が「Fオレ」です。

型を付けさせて貰って半年位のミットなんですがまぁ、傷みの激しいこと!

しっかりオイルも塗って手入れしているのに…

やっぱり高校生の道具は劣化が早いなぁ(・・;)

そら、手も痛くなるはずだ。

これが革を入れる前の画像です。

革を入れた後もこの状態をキープしないといけないので写真は必ず撮っておきます。

ファーストミットはやりやすい

早速革入れ加工していきます。

この点線で囲った部分の紐を全部外していきます。

実はファーストミットはご覧の通り上と下の両方からアプローチ出来るので内部を弄る加工がやりやすいです。

革紐を外すと見事にミットの中を通って向こう側が見えますね(^_^)

ファーストミットの破れ修理は、ウェブ付け根辺りは上側から、ポケット辺りは下側から開きます。

グラブだと全て手入れ口からのアプローチなのでミットは本当にやりやすいです。

革紐を外したらポケット形状にカットした革を入れます。

上から下から革を引っ張って位置を決められるのでピシッと捕球面に沿って革をセット出来ます。

また、同時にアタッチグリスを入れてより革が動かないようにします。

さらに、ウェブ下部分と土手部分に革紐を通す穴を開け、ミット本体と入れた革をガッチリ固定します。

革紐を通す穴の位置が決まったら余計な革を切り取ります。

そして、最後に革が見えないように革紐を通したら完成です。

気になる見た目も手入れ感も問題無いようなのでこれで革入れ加工完了です。

まとめ

グラブやミットへの革入れ加工は捕球時の衝撃緩和と本体の補強という面で凄くメリットが大きいと思います。

しかし、一方で30g~50gほど重量が重くなるというデメリットもあります。

その分を他の部位で軽量化出来ればいいのですが、なかなか難しいのが現状です。

現在2mmの革を入れてますがこれを半分の1mmで衝撃吸収率が同じ革か、2mmでも重量が半分程度の革があれば最高ですが無いでしょうね。

昔、ミズノに「パラショック」というゴムのような衝撃吸収素材を平裏に採用したグラブがありましたが、そのゴムゴムした平裏のせいで全く型が付かなかった記憶があります。

だから、私の中では平裏は天然皮革に限る。

もっと言えば捕球面と同素材が望ましいと思ってます。

ただ、ディアスキンやプレミアムソフトレザーなど手入れが気持ちいいやつがあるのであくまでも望ましいということで。

あー、どこかに軽くて衝撃吸収率が高い革を持つ牛いないかなぁ(^^)

なんて思いつつ、より良い加工方法を探る私なのであります。

ご清聴ありがとうございました。

また、お会いしましょう。